生後3ヶ月〜半年くらいまでに開始するのが最も効果的だとされています。
性格的に頑固になりやすい犬種もありますし、個体によっては幼いうちに噛み癖や無駄吠えなどが表れてくる場合もあります。なるべく早期に訓練・しつけを開始することをおすすめします。
しかし、成犬になってからでも全く意味がないというわけではありません。ただし、高齢になってからの訓練は、根気と長い訓練期間が必要です。

よく、訓練士の指示には従うけれど自宅に戻っても飼い主様の言うことは聞いてくれない、というケースがあります。
この場合、犬に対して「なんで言うことを聞いてくれないの！」と頭ごなしに怒ってしまっては逆効果です。犬は、飼い主様の言うことをまだ正しく理解していない可能性があります。
まずは愛犬に、「この命令はこういう意味なんだ」ということを教えてあげなければいけません。この時に大切なのは、「1回の命令に対して1つの作業をさせる」ということです。あまりに複雑な要求を、犬は正しく理解できないからです。
さらに、「この人の言うことを聞くのは正しいことなんだ、楽しいことなんだ」と愛犬に感じてもらえるように接することが大切です。

言うことを聞かなかったから怒る、のではなく、言うことを聞いてくれたときにしっかりとほめてあげる。これだけでも随分変わってきます。心からほめてあげれば、その気持ちは愛犬に必ず伝わります。
これらのことを理解していただくために、訓練の際には飼い主様にも何度か参加していただいて、どのように愛犬に接すればよいのかご指導を行います。

まずは、何に対して吠えているのかをつかんであげないといけません。不慣れな環境のせいなのか、寂しさなのか、人や物音に対して過敏になっているのか、原因は様々です。
環境に慣れずストレスを感じている場合には、なるべく鳴き声の響かない場所におきます。吠えるからといって声をかけたり撫でたりすると、犬は「吠えれば相手をしてもらえる」と感じて逆効果です。少しずつ時間をかけながら、「警戒しなくても大丈夫」だということを覚えさせていきます。
来客に対して吠えてしまう場合には、「待て」や「おすわり」などをさせながら、人が来てもじっとしていられるようにトレーニングします。

人間が与える指示に対して正しく反応できるように指導を行うという点では、家庭犬でも警察犬でも、訓練の基本は同じです。
基本的な服従訓練を身につけたのち、専門的な科目を学習していきます。家庭犬向けの訓練を受けているから、警察犬にはなれないというようなことはありません。ただし、警察犬として必要な能力をしっかりと身につけるには、早期に訓練を開始することをおすすめします。

訓練士を目指す方、一緒に頑張ってみませんか？